●税務調査の研究●

●平成151113日掲載●

★無予告調査の対応について★

 

税務調査の研究ですが、通常は、税務調査の意義やら内容を紹介すべきでしょうが、現実的な対応方法をまず考えてみました。

 最近、税務調査が「偽りその他の不正の行為」による脱税を重点的に調査するように、支持が出ているようですが、末端の税務署員にとっては、「偽りその他の不正の行為」による脱税、つまり、仮装や隠ぺい行為により不正に税金を免れた、と決め付けた税務調査も多くなってきたと、あるベテランの税理士さんが語っておられました。

 私も、以前に、いきなり無予告で税務員が顧問先に調査に来たことがありました。その時は、私が事務所におりましたので、電話で税務署員と話して、その日は帰ってもらうことができましたが、もし、私が事務所に不在だった場合には、どのようなことになっていたのか不安に感じたことがあります。

 そこで、今回、顧問先に対して、ある文書を配布することにしましたので、皆様に公開します。

まず始めに、私から顧問先への文章です。

無予告調査の対応について

顧問先様 各位

税理士 久保 史明

佐賀県佐賀市神園2−10−24光ビル3F

電話0952-33-2545

携帯電話 090×-×××-××××

 いつも大変お世話になっております。

さて、本日は、当事務所の顧問先の皆様にご連絡があります。と言いますのも、最近の税務調査の傾向は、年々厳しい対応となっております。これは、国税局より「偽りその他の不正な行為」による脱税を重点に調査をするよう支持が出ておりますが、末端の税務署員にとっては、「偽りその他の不正な行為」による脱税発見しか実績とされないので、強引にでも悪質な脱税(仮装や隠ぺい行為により税金を不正に免れること)をした、と決め付けてしまう傾向にあるようです。

もちろん、税務調査に際しては、全力で皆様の財産と尊厳を守る決意は変わりませんが、予告なしの税務調査に対しては、事前の備えが必要です。この無予告調査とは、現金商売の方によく行われる調査の手法で、現状での現金管理の状況を把握する為に行われているようです。また、当方へ、税務署の内部告発をしてくれた現役の税務署員によれば、ノルマに達していない場合には、「無予告調査」ばかりを命令する統括官も存在すると証言しておりましたし、違法調査も多く存在するとも証言していました。

当然、税務調査は、受けなければ罰則がありますが、あくまで、「納税者の承諾」を前提とします。従って、納税者の承諾なしに調査(帳簿を調べたりすること)することは、「違法」です。また、無予告調査を当日受けねばならない法律上の義務もありません。当然、営業妨害もすることはできません。

そこで、無予告調査の対応手段として、別紙の「無予告調査に関する件」(A4版・赤の用紙)を事務所等の壁に貼っておいて下さい。そして、無予告で調査に来た税務署員に渡して下さい。事務所など敷地内や屋内に税務署員を入れないで下さい。「税務調査は、久保税理士の立会(たちあい)の元で受けるので、今日は帰って下さい。」と、税務署員に告げ、「無予告調査に関する件」の用紙を渡して下さい。後日、当方と皆様と日程調整をして、税務調査に臨みます。

絶対に、税理士の立会のない税務調査には応じないで下さい。税務署員は、税理士がいないと、納税者に義務のないことも勝手に要求したりします。非常に危険です。どうか、皆様の財産と人権を守る為にも、よろしくご協力の程お願い申し上げます。

以上

 顧問先に配布した文章です。事務所等に貼ってもらう予定です。そして、無予告調査に来た税務署員に渡してもらうようにしています。

無予告調査に関する件

無予告で調査に来られた税務署職員 殿

税理士 久保 史明

佐賀県佐賀市神園2−10−24光ビル3F

電話0952-33-2545

私は、当事業所の顧問税理士の久保史明と申します。当事業所の申告書には、税務代理権限証書を添付しており、私が顧問税理士ということは、既に、ご存知のことと思います。

 さて、私達は、予め事前通知のあった予告調査には、当然に協力する意思はありますが、無予告調査については、下記の理由で一切対応できません。

理由

@     納税者は、その代理人である税理士の立会いを求める権利があること。

A     税理士にも、納税者の依頼による税務調査には立会う権利があること。

B     税理士は、事前の日程調整がない場合には、無予告調査当日の事業所への訪問は、一般常識的に、不可能であること。

C     任意調査は、納税者の承諾を前提とするものであり、当事業所においては、税理士の立会いがない場合の無予告調査は、承諾できないこと。

D     無予告調査への対応を強要することは、納税者の営業を著しく妨害するものであること。

E     無予告調査であっても、納税者の承諾を必要としない強制調査ではなく、あくまで任意調査であり、納税者には、無予告調査当日に絶対に対応せねばならない法律上の義務はないこと。

無予告で調査に来られたということは、税理士と納税者の信頼関係を破壊し、かつ、税理士の調査立会権を無視するものであり、納税者と税理士の権利を無視した行為であって、適法な税務調査とは認められません。よって、私達は、無予告調査当日の対応を拒否しますので、即刻、当事業所より退去願います。

なお、今後の調査につきましては、私まで事前にご連絡下さい。納税者と日程調整の後、調査可能日を連絡します。

以上

 皆さん、私は、納税者の方に「無予告調査」に応じなければならない法律上の義務があるとは思いません。もし、私が間違っていれば、根拠をお教え願えれば幸いです。