〜 タックスエンターテイメント小説 〜

「税務調査最前線」

第4話 『タレコミだな!』4章

 (〜こんなことは許されないぞ〜)

 

 前回3章のあらすじ 


(税務署員は、活タ藤商会の社員全員の財布を見たり、机の引出しを見たり、すき放題の税務調査を行っていた。多田税理士は、そのことを社長から聞いて、激怒したが、その場は、なんとか無事に納まった。多田税理士は、会議に出席するため、税務調査を中座せざるを得なくなって、「無茶をするなと」言い残し、活タ藤商会を後にした。)

 

 多田税理士が、税務署員に「無茶をするなと」クギをさして帰ったので、活タ藤商会の社長も安心していた。

 ところが!

 山本調査官は、信じられないことを言うのであった。

 

「ここにある書類や帳簿をダンボールに入れて下さい。そして、今度調査に来るまで、空けないで下さい。いいですね。」と、強い口調で言い、事務員に書類をダンボール箱に入れさせたのであった。

 

 そして、封印までしたのである。

 

事務員は、「こんなことされたら困ります。お客さんから問い合わせがあっても、書類がないと対応できないですよ。」と、小さな声で話すのであった。

 

社長も、「これは、やめて下さい。仕事に支障がありますから。お願いしますよ」と、税務署員に頼むのであった。

 

が、しかし、山本調査官の口から、とんでもない言葉が発せられたのであった。

 

その、言葉とは・・・・。

 

 

「あなた達が、書類を隠すか分からなんし、帳簿を書きかえるかも分からんから、こうしておくんだよ。税務署のすることに、つべこべ言うんじゃない。」

 

「いいな、分かったね。このままにしておかないと、後で取り返しのつかないことになるからね。」

 

山本調査官は、激しい口調で言い放って、帰っていったのである。

 

山本調査官が、帳簿や関係書類をダンボール箱に入れさせ、封印までしたことは、明らかに違法なんです。

 

通常の、税務調査では、こんなことはできる訳がないのです。

 

 困り果てた、活タ藤商会の藤木社長は、多田税理士に相談の電話をかけたところ、多田税理士は、会議からちょうど帰って来たことろであった。

 

 活タ藤商会の社長から、話を聞いた多田税理士は、ビックリしてしまった。

 

「なんですって、封印して帰った。ほんとですか。そんなことしたんですか。」と、多田税理士は、信じられない様子で、社長の話を聞いたのであった。

 

 そして、考えた。「社長、胸に手を当てて考えて下さい。申告上大きな誤りとかは、ありませんか。」と、多田税理士は、社長に質問した。

 

「何も、やましいことはありませんよ。絶対にありません。」と、活タ藤商会の藤木社長は、はっきりと答えたのであった。

 


 多田税理士は、もしかして、活タ藤商会が不正を行っているとのタレコミ情報があったので、税務署は強行な手段に出ているのかも知れないと、考えたのだ。

 

 しかし、何度、社長に確かめても、絶対に不正はないと断言するので、多田税理士も信じることにした。

 

「社長、分かりました。帳簿類をダンボール箱から出して良いですよ。何も問題はありませんから。それに、私が明日、税務署に話しに行ってきます。」と、藤木社長に話す、多田税理士であった。

 

 翌朝、沖山税理士から対策案を聞いていた多田税理士は、税務署に乗り込んだのであった。そして、山本調査官とその上司の統括官に向かって、昨日の税務調査の違法性を話すのであった。

 

「いいですか、任意調査で、領置権が行使できると思っているんですか。強制調査じゃないでしょうが。そんなに、疑わしいんだったら、徹底的に調べたらいいですよ。」と、強い口調の多田税理士。

 

「でもね、今回のことは、違法調査だから、謝罪してもらわないと、ホームページを作って、実名報道しますよ。広く世間に、違法な税務調査が、これこれ税務署のなになに調査官が、なんて言う税務署長の指示で行われているか、報道しますからね。」と、相手の目を見据えて話す、多田税理士。

 

一方、統括官は、「いいえ、違法じゃありません。それに、実名報道するなんて、名誉毀損じゃないですか」と、切り返す。

 

「違法調査じゃないんでしょ。だったら、公務員が正しいことをしているんだったら、実名報道されても何の問題もないじゃないですか。」

 

「世間のニュース番組を見てみなさいよ。どこの警察のなんて言う警察官が何をしたと報道してるじゃないですか。それに、どこがどんな風に名誉を毀損しているんですか。」と、言い返す多田税理士であった。

 

統括官も簡単には引き下がらない。「そんな、実名報道なんかは、困ります。そんなことを言うなら、税理士管理官に話しますよ。」

 

「税理士管理官にでも、何でも話せばいいじゃないですか。違法調査ではないと言うんなら、ホームページを作って、勝手に実名報道しますからね。」と、言い残し、多田税理士は、税務署を後にした。

 

 その後、活タ藤商会の税務調査は、何の申告漏れもなく終了した。やはり、デタラメのタレコミだったのであろう。そして、多田税理士は、自分のホームページの作成に取りかかっている。この後の展開は、又の機会に。

 


 次回、第5話は、「呪われた飲食店」

〜病気になったのはなぜ〜

 

★被害にあったご本人のインタビューがあります!

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